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クジラが還る日
 私は大のクジラマニアです。
もし生まれ変われるならクジラになりたい!
クジラに関することなら目の色が変わり、話し出すと長〜くなるので避けてきましたが、今日はそのお話しをしてみたいと思います。(かな〜り長いのでお時間のある時にでも…)
ちなみにHPのタイトルにもしている“kw-orca”というのは、中でも一番好きなシャチの別名Killer Whaleと私のイニシャルが同じなので、それに学名のOrcinus orcaのorcaを合わせているんです。(どうでも良いことですが…)

クジラが還る日_f0049903_1424831.jpg そもそも私がクジラに魅せられるきっかけとなったのは、二十歳くらいの頃に訪れた鴨川シーワールドです。
それまでイルカショーは見た事があったものの(ちなみにクジラとイルカは大きさで呼び分けていますが同じクジラ目です)迫力が違い、もうもう圧巻でした。その気になれば人間に逆らうことも出来そうなのに、付き合ってくれているという感じを受けました。
数年後にも訪れましたが、ショーが終わってからも子供達に混じって、水槽にへばり付いてました。
 シャチは、現存するほ乳類の中で最大の脳を持っています。大きさと頭の善し悪しは別らしいのですが、果たしてどうでしょう…
以前に読んだ本の中に、シャチという動物を紹介するこんな話しがありました。
『1956年、ブリティッシュコロンビア州の海に面したある山の山腹で、二人の木こりが丸太を斜面沿いに滑らせて海岸に降ろす作業をしていた。その時たまたま一群のシャチが下を通りがかった。それを見た木こりの一人がわざと丸太を離して落とし、シャチにぶつけた。丸太の一撃は明らかに一頭のシャチを、殺しはしなかったが傷つけた。シャチの群れは逃げ去った。夕方、二人の木こりが小舟でキャンプに帰ろうとしていると、昼間のシャチの群れが現れ、その舟を転覆させた。丸太を落とした男の姿は消え、もう一人は何の危害も加えられることなく無事に帰った。』(平凡社「クジラの心」より)
シャチにはレジデントとトランジェントの2種類がいます。レジデントはカナダで鮭を補食して定住する特有の種類です。トランジェントは常に回遊していて、アザラシやトドなどを捕食しているようですが、詳しい行動を把握するのは難しいそうです。
レジデントについては、ポール・スポング博士が長年カナダの『オルカラボ』で研究をしています。
シャチを含めたクジラは、まだまだ未知の部分が多いのです。
そんな未知数の魅力を秘めたクジラに私はどんどん興味が増していきました。

そしてある年の2月、ダイビング友達のお父さんがマウイ島のコンドミニアムの会員ということで(当時はバブリーな時期でした)マウイ島に行く機会に恵まれました。
友人達は「ハワイの海に潜れる〜」と楽しみにしていましたが、私の一番の楽しみは何といってもホエールウォチング!ザトウクジラに会える!!頭の中はこれで一杯でした。
(ザトウクジラは、暖かい時期は捕食のため北の海に、冬の間は南下して捕食せずに子育てに専念します)
 現地に着いて荷物を置くやいなや、早速ホエールウォチングの予約に行くと「午前中は気持ち良く泳ぐ姿を見られるし、ジャンプしているダイナミックな姿を見たいなら午後だね。どっちにする?」と聞かれました。私は「じゃ、両方!」と即答。
「2回も行く日本人は珍しいなぁ…」と言われ、しかも「可能なら今から行きたい!」と伝えると少々呆れられました。
そして間もなく、念願の彼らに対面。
夕暮れにオレンジの光を浴びながら、生きている喜びを表現するような雄大なジャンプ。それは想像以上に神々しい光景で、涙が溢れてきました。
それに何というデカさ。(マウイでは厳しいガイドラインが設定されていてボートから30mは離れているにも関わらず…)身近な大きい動物といえば象ですが、その何倍もあります。
撮る間も惜しく感じて、その時の写真は無いのですが今でもくっきり頭の中に残っています。
クジラが還る日_f0049903_14335142.jpg すっかり感激を通り越して呆然としながらの帰り、更に忘れられない出来事が…
私達の乗っていたのは大きめのゴムボートといった感じで決して大きい舟ではありませんでした。
快調に進んでいたボートが急にガクンと止まり、間もなくエンジンを停止したのです。「ん?何かトラブルでも…」とスタッフを見ると、右側の海面を指さしました。そこには黒光りしながら盛り上がる見覚えのあるものが…
クジラが還る日_f0049903_14322679.jpgクジラの背中でした。私のすぐ横、数十センチ下で柔らかな潜水艦のように動いていました。
(ガイドラインでは、クジラが近づいてきた場合はエンジンをニュートラルにし1分ほどアイドリングの後エンジンを切るきまりがあります)
その動作はテレビでも見たことがあり、次の動作はYの字のような尾びれが海面に現れるのがイメージされました。そうなれば、このボートなんて一溜まりもありません。
「転覆したら間近で全身を見ることが出来るかな…」ほんの十数秒の間そんな事を考えていました。
でもボートは波が起きて揺れることすらありませんでした。彼は明らかにボートを意識して、尾びれを海面に上げる事なくとても静かに潜ってくれたのです。
彼にとっては、多少触れたところで何の支障も無かっただろうに…
ここの人とクジラの間には、信頼関係が成り立っている。そう感じました。
クジラが還る日_f0049903_14361368.jpg 日本は捕鯨大国として有名ですが、かつてはここラハイナも捕鯨が盛んな地区でした。(1825〜1860)
『ホエラーズビレッジ』というショッピングセンターの中に捕鯨の歴史やクジラの生態についての博物館があります。
日本でも海外でも昔の捕鯨は、クジラと対等で命がけ、誇りと畏敬の念が抱かれていたのだと思います。それがやがて近代捕鯨になるとクジラの体内で爆発する銛を用いるようになり、効率よく捕獲できることから乱獲に繋がり個体数が減っていきました。
クジラが還る日_f0049903_14375374.jpgクジラは余すところ無く活用できる便利な生き物です。肉や皮膚は食用、骨や歯は杖やゼラチンなど、内臓は薬など、脳油(マッコウクジラ特有の物でこれを冷やしたり温めたりすることで深海まで行き来できます)は精密機器の潤滑油など…etc
しかし、現代では代替えできる物が沢山あります。
現在は許可された調査捕鯨しか行っていないようですが、各国で捕獲されたクジラの主な消費国は今でも日本だそうです。
クジラが還る日_f0049903_1438396.jpg一時は絶滅を危惧されたホッキョククジラやセミクジラなども個体数の増加が確認されているとのことですが『増えたから獲る、減ったからやめる』と人間が操作する事に不安を感じてしまいます。
 マウイでは、とてもクジラに優しく、ありのままのクジラから恩恵を受けています。その方法を模索していく方が、有意義な気がするのですが…
 後にも先にも実際に行った外国で「ここで暮らしたい」と感じたのは、マウイだけです。マウイは私にとっての聖地となりました。

クジラが還る日_f0049903_1439556.jpg さらに数年後、友達から「ロサンゼルスに旅行に行こ〜う」と誘われました。
私は、Tシャツでプラプラ歩ける南国系が好みの為、外国の都市は何だか怖いなぁと思いながらも「たまにはいっかぁ」と快諾。
旅行のプランを立てる為、いろいろ調べているとLAからバスで一時間ほどで行ける『サンディエゴ・シーワールド』が目に止まりました。そこにはシャチの写真が!
クジラが還る日_f0049903_14413969.jpgディズニーランドに行きたがっていた友達に折れてもらい、いそいそと向かいました。
更に迫力のあるショーに魅せられた私ですが、同時にある事実も知るきっかけとなります。
 シャチといえば、特徴的なのが垂直にそびえ立つ長い背びれです。(鎌状で長いのが雄、山形で短めなのが雌)
水族館にいるシャチは、ストレスの為その背びれが曲がっていくのだそうです。
背びれが曲がっているという事で思い出されたのは、映画『フリーウィリー』に出てくる本名『ケイコ』です。(ちなみに雄なのですが私と同じ名前)
彼は1979年アイスランド冲で捕獲されて以来、長年水族館をたらい回しにされてクジラが還る日_f0049903_14431969.jpg過ごしていましたが、映画をきっかけに『フリー・ウィリー・ケイコ財団』が設立されました。
「故郷の海に還すべきだ」という意見と「群れを重んじるシャチだけに今更戻っても生きていけない」と意見が分かれたようですが、98年リハビリ目的でアイスランドに移送され、2002年7月 23年ぶりに大西洋に放たれました。しかし翌年12月ノルウェーのフィヨルドで死亡が確認されています。享年27歳。飼育下にクジラが還る日_f0049903_14454177.jpgおけるシャチの長寿第2位だそうです。(野生のシャチは人間と同じ位の寿命を持つと言われています)
ケイコは、出会った群れと共にノルウェーに移動したそうですが、結局群れには入れず独りぼっちであるところを前年に目撃されています。
人間に翻弄されたケイコは何を思っていた事でしょう…(こちらも是非読んで頂きたい
 私がクジラに魅せられ知るきっかけとなったのは、水族館です。
容易に見て楽しむ事、学ぶ事ができ、時には保護活動もされている水族館は貴重な施設かも知れません。
しかし、それはあくまで人間サイドの事。
研究・調査が行われれば彼らにも有益な事があるかもしれませんが、現実は人間を優先した“有益”なのではないでしょうか?
もう後戻り出来ないのであれば、感謝の気持ちを強くして飼育環境をもっと試行錯誤して工夫していくべきなのでは… それを考慮した上でうまくいっている動物園の話しは有名ですよね。

クジラが還る日_f0049903_14472818.jpgまた、昨今クジラが海岸に打ち上げられる事故が多発しています。
今年2月シャチが知床で流氷に阻まれ11頭も死んでしまったのは記憶に新しいと思います。(http://www.shachi.info/index.html http://svrsh1.kahaku.go.jp/orca/index.html
当初、原因は急速な流氷の南下により流氷に囲まれて出れなくなった為と思われていました。しかし本来シャチは流氷と共に生きており、必要な時は流氷の合間から狩をすることもあります。流氷やテトラポット程度で体が傷つきそれが原因で死亡することは考えがたいとの事。
死体を解剖した結果、このシャチのPCB及び水銀の汚染が他のクジラに比べ高い事が改めで浮き彫りになったそうです。
PCB(ポリ塩化ビフェニル)とは、DDTやBHCなどの農薬と同様に有機塩素化合物の一つで、環境汚染物質として体内に蓄積され、健康に害を及ぼす物質です。工業産業などからの廃棄処理の問題で、PCB汚染は既に水生生物、鳥類、人の母乳や脂肪組織など広範に及んでいることがわかっています。
この事だけが直接の死因とは考えられないそうですが、これらは他の様々な要因に関わっていることでしょう。

 クジラの祖先は、恐竜が絶滅した後に発展した哺乳類、牛やカバ・シカ等と同様の6500万年前に陸を歩いていた『メソニクス』という動物だと言われています。(陸で暮らしていた名残で今のクジラにも後ろ足の一部の骨があります)
その一部が生息域を海に変え5000万年前に『ムカシクジラ』他 数種のクジラが誕生し、絶滅と進化を繰り返し、現在では「ハクジラ」と「ヒゲクジラ」が存在します。

 何の根拠も無いので笑われるかもしれませんが、地上が本当に平穏になるのをクジラはじっと静かに待っているような気がするんです。そして彼らは地上に還ってくる。
もし実現したとしても果たしてその姿を人間は見られるのか…
本当に地球が平穏になる為には、人間が存在しては不可能なのではないか…と考えてしまいます。

 以上は、私が関連書籍やHPを読んで、それとわずかな体験を通しての個人的な考えに過ぎません。
日常生活において頻繁に目にするわけでもありませんし、遠い事のように感じるかも知れません。
妄想的な考えがちりばめられた嫌気がさすほど長い文章ゆえ説得力が無く、懐疑的な意見を持たれる方もいることでしょう。
しかし、クジラにちょっとでも興味を持ち、地球環境のことそこに共に暮らす生き物のことを心の隅ででも考えてみるきっかけとなれば幸いです。
by kworca | 2006-05-11 14:49 | クジラのこと
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